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して、その後。
さすがにちょっと事態のまずさに気づいたか、ご一行はようやく危機感(そんなもの彼らにあるのか?)を覚え始めた。
ちなみに、残り10人の面子は、
我らが隊長:仰木高耶さん(ちょっと酒入ってハジけ気味)
その補佐:橘義明さん(そんな彼をおろおろしながら見守る)
夜叉衆:門脇綾子ねえさん(酒があれば何でもいいのvv)
夜叉衆:千秋修平(を名乗り続ける霊体・安田長秀)
赤鯨衆のセンセ:中川嘉門さん(実は誰よりもブラック?)
赤鯨衆のリーダー:嘉田嶺次郎さん(豪胆ぶりは世界一←新刊参照)
隊長専属カメラマン:武藤潮さん(仰木命!)
みんなのマスコット:卯太郎ちゃん(仰木さん命★)
六道界の脅威:成田譲さん(@夢の中)
柱の影からこんにちは:北条氏照さん(どこから来たんだ……?)
である。
そうそうたる面子ながら、結局のところ誰一人としてまともな考えに行き着く者はない。
「酒の見せる夢だ、夢っ」
「あなたさえ無事ならいい……」
「ああもう!暑苦しいからやめてよ」
「……(他人のふり)」
「折角の機会だし、この薬を試してみようか……ふふふふ」
「お前ら……(拳)」
「こっち向け、仰木〜(目指せベストショットv)」
「みなさん……何も考えてないでしょう?(涙)」
「……高耶……喰らってやるよ……待ってろ……(←寝言)」
「三郎……(柱の影がお好きv)」
「大体な、お前、その額の種、そんな面して近寄んな!やな奴のこと思い出す」
「今ここにいる私を信じてください!これが私でなくて誰だと言うんです」
「見たくない……お前をそんな姿にしたのはこのオレだ……」
「あなたのせいじゃない!これは私の罪です……」
「直江っ……!」
「〜だああ!うるせぇお前ら!!痴話ケンカは他所でやれってんだ」
「そぉよっ。せっかくのお酒がまずくなるじゃない!」
「あー!ねーさんひでぇ!」
「……お前ら、何とも思わないのか !? 俺のこの額を見ても !? 」
「はぁ?大体、あたしにだって種埋まってんのよ?それでも私はこんなに健気に生きてるの。うじうじうるさい男なんか、サイテーよ!」
「そういや、ねーさんも……」
「大将は大将のくせに敵の手中に落ちてるし、もう無事なのは俺様だけね」
「てめーは体がねーだろうが!」
「俺様の好みに合うのがいないんだからしょうがねーだろ。美的感覚がうるさいんでね」
「選り好みしてんじゃねーよ!」
「ほお?橘義明の体にあそこまでこだわったお前にしちゃ、随分な台詞じゃねーか」
「う……」
「刻まれた傷の全てがどうこうとか言ってたくせに」
「みっ、見てきたようなこと言ってんじゃねー!」
「ここの管理者含め、見てきた人間はたくさんいるぜぇ?てめーらは知らないだろうけどな」
「なんだとぉ !? くそう管理者のやつ、ぶっ殺す!!」
「たたた高耶さん落ち着いて!血圧上げると魂の寿命がますますっ」
……収拾不能。
「みなさん、まあまあ落ち着きましょう。ささ、中川特製・『泥沼のケンカもひとっ飛び☆即効仲直りジュース』です」
異様なエキサイティングぶりを見せる夜叉衆四人に、果敢にも突撃を果たしたセンセは、なにやら非常に嬉しそうにいそいそとコップを差し出した。
四つのコップの中身はそれぞれ、赤、青、黄、緑の四色。
見るからにアヤシゲなブツである。
しばらく無言でそれを見つめていた四人は、突如申し合わせたようにがっちりと仲良く手を取り合った。
「あっらぁ〜ちょっとはしゃぎすぎたかしらぁ?」
「まあまあ、こんなのただのじゃれあいだし!」
「ほんとは仲いいもんなぁオレたち!」
「ええ、ケンカするほど仲が良い、と言いますよね!」
見事なまでの息の合いようだ。
危機を察した時のこの意気投合ぶりは、さすが四百年の付き合いの面子である。
チリも積もれば何とやら。
しかし、この好機を逃すセンセではない。
彼は四人の不自然な仲良しぶりを綺麗に無視して、テーブルの上に四つのコップを並べた。
「どれがいいですか?それぞれ微妙に効能が変わってくるんですが」
にっこりにこにこ、その顔だけを見たら誰もが彼を好人物だと太鼓判を押すに違いない。
だが、いつのまにか遠くに避難してしまっている嶺次郎・卯太郎を見れば、その姿が仮でしかないということがよくわかる。
「へ〜え、綺麗な色じゃんか」
ものすごく疎いのか、はたまた、締め切り直前のヘタレ作家に青空の写真のパズルをやろうと誘いかけるくらいの度胸の持ち主なのか、カメラマン潮だけが無邪気だった。
「混ぜたらどうなるんだ?中川」
「面白いことになると思いますき、試してみますか?」
『止めとけ潮!!』という周囲の必死の目配せにも気づかず、彼は楽しそうに返事するセンセの勧めるまま、新しいコップを用意して、あのアヤシゲな四色の液体を同量ずつそこへ注いだ。
「おお?」
すると、どうしたことか、最初は見るからにヤバい色をしていたその混合体は、かき混ぜると、あっという間に無色透明になってしまった。
「面白いでしょう」
相変わらず笑顔のままのセンセである。
「おう。ところでこれ、無色透明ってことは、効能は?」
肯いた潮の質問に、彼は目を細めた。たしかに、そう見えた。
「……相殺されましたよ」
ぞわり
相殺された、ということは、やはり先ほどのあの四色の液体はそれぞれが対の性質を帯びていたということで……
―――のほほん潮とおねんね譲と天然兄を除く全員が、恐ろしい想像に背筋を凍らせていた。
残り、10人?
02/10/02
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